祖母からの日記帳 17
#祖母からの日記帳 の続き、17話『祖母激怒!』です。
平成元年3月31日、お母さんが職場の人が退職されるので送別会がありました。遅くなりお祖父さんから叱られるのが怖いと、お母さんはその夜帰って来ませんでした。お祖父さんとお祖母さんは一晩寝ずに帰りを待ちましたが、とうとう帰りませんでした。お友達の家へ朝早くから連絡しましたがどこにも居ませんでした。瞳ちゃんも大変心配しました。4月1日は約束をして長崎へ買い物に行く事にしていたので『約束を守らないお母さんは駄目お母さん』と涙を流さんばかりでした。
1日昼過ぎ、お母さんはFさんと一緒に帰って来ました。人に迷惑かけて本当に何才になっても子供のような母親です。この時瞳ちゃんは、お父さんに逢っている事を打ち明けました。二、三回逢ったと言われお祖父さんとお祖母さんはびっくりしました。お母さんは調停までしてお父さんと別れたのに何故又、逢ったりしたのか判りません。又、昔の辛い嫌な生活を忘れてしまってお父さんと仲直りするつもりでせうか?
生活する事も食べる事も出来なかった10年間の苦しみを、お母さんはこの一年間で忘れてしまったのでせうか?
呆れてお祖父さんもお祖母さんも言う言葉がありません。お母さんはどうしてこんな駄目な女になったのかお祖父さんもお祖母さんも本当に理解出来ないのです。
平成元年8月18日、今日はお母さんが頭が痛かったりして会社を休みました。お祖母さんは肘の病院へお祖父さんと行きました。帰って来たら「Fさんが来たので諫早まで行って来ます」という書き物があって、瞳ちゃんもお母さんも居りませんでした。
Fさんは会社でお母さんのお友達でした。瞳ちゃんも雲仙へ行ったり、諫早に遊びに行ったりして良く知ってましたね。それが急に5月から会社を辞めて、家にも帰らず行方不明のようになって、お母さんも心配していました。それが、貴女のお父さんとずっと一緒に生活していたのですね。
Fさんと諫早へ行って食事をして、喜々津へ帰ろうと車で送ってくれたFさんは喜々津の家に帰らず、長崎のお父さんの所に貴女とお母さんを連れて行きました。貴女とお母さんはびっくりしてしまいましたね。そこでどんな事が起こったのか小さい貴女には良く判らなかったかも知れませんが、お父さんがFさんと暮らしている事を知った貴女とお母さんは、そこで一泊して喜々津へ帰ってお祖父さんやお祖母さんに、その事情を説明してくれました。お祖母さんも本当にびっくりしました。
お母さんは貴女が成人するまで貴女を育てなければなりません。お父さんの子供として戸籍がありますが大きくなったら瞳ちゃんの考え次第で生活してゆかなければなりません。瞳ちゃんが一人前の大人としてお父さんやお母さんに負けないしっかりした生活をしてくれる事をお祖父さんもお祖母さんも心から希望しています。
続きます…。
次回、祖母からの日記帳18話『父のその後』お楽しみに。
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